プロローグ
ここは水の都『ウンディーネ』
この町は、海岸に面しており水には不自由することなく
そのおかげで、大陸でもいちにを争うの大きな規模の町になった
その町の中心部には公園があり
さらにその中心に巨大な噴水がある
直径10メートルはあろうかと思われる大きな水受けに
5メートル以上の水柱が噴き出ている
その場所でいつものように、いつもの時間に待ち合わせをしている者たちがいた
シン、クロウ、スラッシュ、ユウリ、ニャムの5人である
13時に噴水前に集合とのことで話が付いているが
12時40分と20分も前に一人、すでに噴水前に立っていた・・・
肩まで伸びた青い髪に、ところどころに羽の柄の入った白いローブ
身長は160cmぐらいで、体型は一般的な少女『ユウリ』である
彼女は今日の『遠征』と呼ばれるイベントをを楽しみにしていた。
いつも遊ぶときは、10分前ぐらいに来ているようにしているのだが
家にいても気が落ち着かず、早めに来てしまったらしい
周りをきょろきょろしながら、他の4人をそわそわしながら待っている
しかし、20分への集合は早すぎたらしく
10分たっても誰一人としてこない
ユウリ「あ〜あ・・・ちょっと早すぎたかなぁ・・・けど早い分には良いよね♪」
自分の行動に少し疑問を持ちながらも気分を切り替え待つことにしたユウリ
他の4人がいつものどおり来ているのならば
10分前に自分が一番乗りで来ているのだから
この時間に他の者達が来ることはまず考えられない
そうこう考えているうちに、時計の針は55分を挿していた
ユウリ「そろそろ、あの二人が来るころかな?」
そういいながら、公園の入り口をぼ〜と見つめるユウリ
ぼ〜と見つめながらも、いつも仲良く二人で来る友人達の影を探す
公園の東口方面から、ゆらりゆらりと見慣れた二人の影が見え隠れしている
ユウリ「あ!やっぱり来た。シン〜、クロウ〜!!」
東口方面から現れたのは『シン』と『クロウ』という名前らしい
ひとりは、腰に剣を挿し、もう一人は腰に杖らしきもの挿している
どうやら剣を持っているほうが『シン』で
杖を持っているほうが『クロウ』らしい
シン「ユウリ、いつもどおり早いな〜今日も一番乗り?」
簡素ながらも、そこそこの耐久力のありそうな鎧に身を纏ったシンが
いつものように、いつもの問いを投げかける
ユウリ「うん、15分も前に付いちゃった」
と満面の笑顔で答えるユウリ、これもいつものパターンである
クロウ「相変わらず、はやいなユウリは・・・」
白黒のローブをひらつかせながらクロウがぼそぼそとつぶやく
ユウリ「だって久しぶりでしょ♪遠征するのって」
さきほどよりもさらに笑みの期待感をだしながら、ユウリがシンの顔を覗き込む
幼さが残るながらも、かなりの美貌の持ち主であるユウリと
顔がかなり近づいたシンは、一瞬ほほを赤らめながら後ずさりして後ろを向く
シン「ん・・・そうだな・・・遠征っていっても近くの海岸に行くだけだけど・・・」
ユウリ「それでも楽しみだよレベル上がるかもしれないしね♪」
さきほどからちらちら出ている遠征とは、『修行』の言い回しである
修行とは一般的に町内にて一人で訓練しているパターンのことを言うのだが
遠征とはこれとはまた別で、町の外に出て訓練を行う
町には優秀な術者達が、強力な結界を張っており
モンスターが進入できないようにしている
その結界外に出るということは、モンスターが襲ってくるということだ
この世界には堕天使『クリス』の置き土産とされている
モンスターがところどころに生息しているのだが
このモンスターが厄介な存在で、人を見ると反射的に襲ってくるようになっている
遠征とは、その襲ってくるモンスター相手に実戦を行い、経験をつんでいくのだ
個人の強さや、精神力などの総合能力を数値化したものが『レベル』なのだが
経験をつまないことにはあがらない・・・
町内で一人で訓練していても効率が悪いため
モンスター相手に実戦を行い、効率よく経験を稼ぐためのイベントが『遠征』とされるのだ
そして今日は、5人で決めたその遠征の日だった
そうこう話しているうちにもう一人の友人がものすごい勢いで走ってきた
時計を見ると59分となっており、その友人が走っている理由がよくわかる
?????「ギリギリセーフ!!」
そう叫んで3人の前に現れたのは『スラッシュ』
背中に身長以上の大剣を抱えているのだが、かなりの速度で走ってきた
この少年の足腰の強さには感服される
スラッシュ「はぁはぁはぁ・・・つかれたぁ・・・・・・あれ?ニャムは?まだ来てないのか」
シン「うん、いつものごとく遅刻・・・みたいだね」
全員で肩を落とし、がっくりくる
スラッシュ「わざわざ走ってきたってのに・・・意味ねぇ!!」
クロウ「フフ・・・今日はどういういいわけが聞けるのか楽しみだな」
皮肉に鼻で笑うクロウ
シンやクロウが言うようにニャムは遅刻の常習犯
その度に、目の前で乱闘騒ぎがあってそれに巻き込まれた、とか
目覚まし時計が壊れていた、などという言い訳を聞かされていた
・・・・・・・・・・・・・・・・
スラッシュ「遅い!!まだニャムは来ないのか!!」
時計の針はすでに13時10分を挿しているのだが、未だにニャムの姿は見えない
今までの最高記録の1時間を考えれば、まだマシなほうだが
これだけ待たされていては、スラッシュがわざわざ走ってきた意味が無い
シン「ほんと・・・いつまで待たせるんだろう・・・ん?」
うなだれているシンが前方の異変に気が付いた
目の前にものすごい砂埃とドドドドドという振動音がする
何かの前触れだろうか、かなり異常な光景だ
クロウ「来たようだな・・・12分の遅刻だ。まだましなほうか」
そう言い放ったクロウがその砂埃の中心を見てつぶやく
その中心には、小柄な少女の姿が見える
走っているように見えるが、その速度を考えると飛んできているという印象だ
その砂埃が4人の目の前に止まる。そこにはやはりクロウの見た少女の姿があった
???「ごめ〜ん、待った?家の前にさ、おばあちゃんが倒れてたもんだから
ちょっと病院まで送ってたんだ。それでちょっと遅刻を・・・・・・」
いつもどおり、うそがばればれの遅刻の理由を喋るその少女は『ニャム』
走ってきた少女の手足は、青白く発光しているため
先ほどの異常なまでの速度と砂埃の理由がわかった
手足が青白く発行しているということは、魔力を込めているという印でもある
ニャムの職業、魔拳闘士は体に魔力を込めることにより
異常なまでの瞬発力と、破壊力を得るというスキルを持っていた
その強制的に生み出された破壊力と瞬発力で地面をけり
先のような砂埃が起こったものと推測される
スラッシュ「またバレバレの嘘だな!!何度遅刻したら気が済むんだよ!」
ニャム「え〜嘘じゃないってホントだよ〜・・・信じてもらえないかもしれないけど」
スラッシュ「あたりまえだ!!毎回毎回・・・」
眉間にしわを寄せ、額には血管も浮かばせながら激怒するスラッシュ
今にも手を出しそうな勢いだが、スラッシュもそのあたりはわきまえているらしく手は出さない
というより、手を出しても素手での戦いではどうやっても剣士は魔拳闘士にはかなわない・・・・・・
そのあたりは、頭に血が上っていながらも、冷静に分析しているようである
クロウ「まあいいじゃないか・・・これで全員揃ったことだし」
二人の間に入りとりあえず、この場の空気を切り替える
今回の目的は遠征だし、いきなり仲間割れしても仕方が無い
というよりも、モンスターとの実戦に行くわけだから下手をすれば大怪我や死にもつながるのだ
シン「よし!!みんな揃ったし、そろそろ行こうか・・・だれかのせいで12分も遅れちゃったしね」
皮肉を混ぜながら、ニャムを見てみんなをみる
ニャム「む〜、ごめんって言ってるでしょ〜意地悪しないでよ〜・・・」
顔を膨らませて抵抗するニャム、その姿はまるで駄々をこねる子供のようだ
シン「ははは、じゃあ行こうか今日は海岸に行くけどみんな準備はいいか?」
そういって、気合を入れみんなの返事を待つ
スラッシュ、クロウ「ああ」
ニャム「うん♪」
ユウリ「はいっ!」
準備が出来たことを確認して、みなが歩き出す
海岸にて、後の運命を変えるような出来事がおこることなど知らずに・・・
to be continued